ペットロス

無自覚なペットロス

私は、無自覚のペットロスを抱えていました。
数年前に飼っていた愛猫を病気で、亡くしたのです。
9歳でした。
我が家には、他にも12歳の子もいて…下の子が先に逝ってしまいました。
それまでの私は、生命とは、消えて行くもの…とザックリと考えていて、母を亡くしても…(仕方がない)と、冷めた感じでした。
元々、人より動物に心を寄せてた処がありましたが…
その小さな命は、私に愛を与えてくれたのです。
愛猫の死は、立ち直れ無い程のダメージを私の心に刻みましたが…日々を過ごすうちにその感情を心の奥へと沈めてしまったのです。
その頃の私は、悲しみの感情を無理に押し込んていたので…何かの拍子に出て来た時は、歯止めが利かす、常に号泣でした。
ですが…それも歳のせいで涙もろくなった!と、考えていたのです。
それを指摘して下さったのはセラピーの先生でした。
セラピストの養成講座での感情を出す授業中に、[感情を開放しないと出てこないよ。]と、私は、そこで初めて悲しみの感情を自覚したのです。
先生は、開放の手法を伝授して下さったので、愛猫への感情を開放出来ました。

ですが…実はもっと大きな後悔の感情が出てきたのです。

人生最大の後悔

それは、私がまだ小学1年生の頃、県外の伯父の所へ母と弟と行った時、迷い犬を保護しました。
私は、[その子を連れて帰りたい!]と、言い張って、家へ連れて帰りました。
しばらくして、男の人が伯父の経営するペットショップへ迷い犬の事を尋ねに来たそうですが、伯父は、[知らない!]と答えて、妹である母に、その事を伝えてきたそうです。
母は、その話しを私に、すぐに伝えましたが、当時私は、(そうだよ!もう、うちの子だもん!)と思っていました。
今から考えると、とんでもない事です。
その迷い犬は、中型犬の男の子で、我が家では[ジョン]と名付けました。
ジョンは、大きめな体なのに、爪を切ってあったり、家の中で飼っていた感じでした。
きっと、家の中で可愛がってもらっていたのでしよう…。
我が家では…外に繋がれて、寂しい思いだったかもしれません…。
その後…ジョンは、引っ越し先の住宅事情で飼えなくなり、義父の遠くの知人宅へ引き取られて行きました。
ジョンとは、それ以後会う事は出来ず、可哀想に…ジョンは私が、連れて来てしまったばかりに、振り回されての一生を送る事になってしまったのです。
ですが…当時はジョンと別れるのが寂しい…としか思っていませんで
その思いが、甦ってきたのは…数年後の出来事でした。

それは…結婚して、夫と近くのコンビニの途中、人懐っこい犬が道路の端を歩いていました。
首輪をしていたので、近所の子!?一人で散歩!?と、思って、夫も私も動物好きなので…少し遊んで、買い物へ行きましたが…なんとその子が帰り道をトコトコと、付いてきていました。
もしや…この子!迷い犬!?と、思った私達は、首輪に迷子札が付いていたので、飼い主さんと連絡を取ろうと、家に連れて帰りました。
その子…お名前はビーちゃんでした。
とりあえず、お水を飲ませると、凄い勢いで飲んで…その後…よほど疲れていたのか…イビキをかいて寝てしまいました。
この子は、どのぐらい歩いていたの!?と感じていました。
その間、夫は電話帳を調べて、電話をかけていました。
幸いにも、珍しい名字の方で…連絡はすぐに着いたのですが…そのお宅もビーちゃんを探し回っていて車も出払っていたそうです。
今と違って、携帯等、無かったので…電話口に出られたお姉さんが、自転車で迎えに来られました。
そのお宅から、我が家まで…直線でも3km辺りでした。
距離も凄いですが…車通りが激しい道路で、事故に遭わなくて良かったと、本気で思いました…。
その後…迎えに来られたお姉さんを見たビーちゃんは本当に嬉しそうで…ピョンピョンと弾みながら帰って行きました。
私達は、無事にお宅へ帰せて良かったと嬉しい気持ちでしたが…私は昔、同じ事があって…その子を家へ返してあげなかった…!と、後悔の感情が溢れてきました。
夫は、[小さい頃の事だから…]と慰めてくれましたが…
私は自分を許せる事が出来ずに、その感情を、心の中に埋めてしまったのです。
それが…愛猫のセラピーをして溢れて来た感情でした。

そして、今その思いを受け止めて、大切な小さな生命やその生命に携わって、哀しんでおられる方のお力になりたいと、思っております。

Posted by heart-2-heart